色彩」について勉強し始めてかれこれ5年くらい、その間に色彩検定やカラーコーディネーター検定試験の1級に合格出来る程度には知識を身につけることができました。けれど何よりも、普段の生活からものを見る目が変わったことに驚きを感じています。勉強を始める前はそこまで意識していませんでしたが、色彩を理解することは様々な分野への応用に繋がるのです。

専門家を目指さなくても、色彩を学ぶ価値は大いにあると私は思います。特段ハードルの高い分野でもありません。ぜひ、色彩について学ぶことを始めてみませんか?

情報の大部分は視覚が頼り

「百聞は一見にしかず」ということわざがある通り、私たちは情報の大部分を視覚に頼っています。もちろん個人差はありますが、目でものを見ることがどれだけ重要かは日々の生活で十分実感できるはずです。赤信号と青信号を正しく識別出来なければ街中を安全に歩くことはできません。

色彩を学ぶということは、「より良い情報を得るために視覚を鍛える」ことに繋がります。

例えばお店で雑貨や衣服を選ぶとき、たくさんある商品の中からどれを手に取るのか深く意識することもなく、好みという「個人の感覚」に頼り切ってはいないでしょうか。目で見て、手で触って、値札を確認して、「なんとなく良いもの」と感じた商品を購入する。それは間違いではありませんが、色彩を学ぶことで見えてくるものもあります。

どうしてその色や形を心地良いと感じるのか、どうしてそのポスターや看板に興味を引かれるのか、そこには個人の感覚だけではなく様々な法則性が存在します。色彩の機能的効果や心理的効果、あるいは配色理論や素材の違いを理解していると、良いものと悪いもの、そして必要なものと不必要なものの違いが、知識を伴って理解できるようになり、「なんとなく良いもの」ではなく「目的や嗜好に合致するもの」を自ら進んで探せるようになるはずです。

この「探せるようになる」ことが重要だと私は思います。

情報をただ受動的に得るのではなく、能動的に取捨選択する能力はありとあらゆる場面で効果的です。情報の大部分を視覚に頼っているからこそ、ひとつの情報からより多くの情報を引き出せるようになるべきなのです。色や素材の性質、デザイナーの意図、価格の適正性など、目でものを見る以上のものを引き出すには知識が何よりも必要であり、色彩への理解が欠かせません。また、自然の風景ひとつ眺めてみても、道端に生える木々や花々にはたくさんの色が存在しています。深緑、常磐色、若葉色、緑青色、フォレストグリーン、アップルグリーンなどなど、緑色にもたくさんの呼び名があります。

ちなみにご存じでしょうか? 日本における「花色」はピンクでも黄色でもないのです。

難しいことは考えず、まずは始めてみよう

デザイナーやイラストレーターを目指すから色彩を勉強したいという人は多いと思います。でも、そんなことは関係なく、日々の生活をより良くするためだけにでも、色彩を学んではみませんか。「生きるために色彩を学ぶ価値はある」と私は思います。

色彩検定」や「カラーコーディネーター検定試験」を目指すのもひとつの勉強法です。でも、時間や金銭的な制約もあるでしょうし、まずは難しいことは考えずに出来ることから始めてみましょう。街を歩きながらどんな色があるのかを探してみるのも、案外楽しいかもしれません。

最後に参考として、色彩について簡単に学べる書籍をふたつご紹介いたします。

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やさしい配色の教科書(改訂版)』は色彩について学ぶ入門書として最適な一冊です。色彩について学びたいけれど何をすればいいのか分からない、という方にぜひおすすめします。もう一冊は『日本の色図鑑』。こちらは日本の色について、やわらかいイラストと美しい写真で紹介している本です。内容が簡潔でわかりやすく、本の装丁デザインも素晴らしいので、ぺらぺらとページをめくって眺めているだけでも楽しく、親子で読む本としてもすごくおすすめな一冊です。